実は人気の街? 水辺に寄り添い緑と暮らす東京の“加賀”

東京23区で家を探すとき、アクセスの良さと買い物のしやすさなどの生活利便性を一番に考えるという人も多いはず。一方で、川辺や公園の緑など、身近に自然を感じられる環境も捨てがたいですよね。そこで今回は東京23区内にあって、都市の利便性と心地よい自然環境を兼ね備える街、板橋区加賀に突撃しました。

石神井川に沿って広がる緑豊かな街並み

加賀は、加賀百万石で有名な戦国武将・前田家の下屋敷跡地に生まれた街です。中心には桜並木に彩られた石神井川が流れ、川沿いには緑豊かな大小の公園が点在し。徒歩数分ほどの距離に中山道(首都高)や環状七号線といった大通りがあるとは思えない、のんびりとした空気に癒されますね。

そんな石神井川沿いの遊歩道を北上すれば帝京大学病院があり、南下すればJR京浜東北線「王子」駅まで大通りを通らずに行くことができます。実際に歩いてみましたが、「王子」駅はさすがに遠いですね。でも川沿いには唐突に大仏が現れたり、野鳥の解説があったり、オレンジピンクの校舎の小学校があったり、ちょっと歩くだけでも面白い発見があって、苦には感じませんでした。

川沿いの曲がり道の先に等々に大仏出現!思わずカメラを構えたら、仲睦まじく散歩していたご夫婦が笑顔で話しかけてくれました。心が温かくなりますね

アクセス拠点としても威力を発揮! 商店街への寄り道も楽しい

加賀を地図上で見てみると、「大手町」駅直通の都営三田線「板橋本町」「板橋区役所」「新板橋」の3駅と、「池袋」「新宿」「渋谷」「大崎」といった主要ターミナル駅がすべて直通のJR埼京線「十条」駅に囲まれていることがわかります。

また、「十条」駅周辺には西口の「十条銀座商店街」をはじめ、線路沿いや路地に入ると個性的な商店が目白押し。脇道を覗くのが楽しくなります。一方、三田線駅のある中山道方面にも「仲宿商店街」を筆頭に、多彩な店舗が軒を連ねています。ショッピングモールなどの大型商業施設がない分、街の暮らしに根付いた元気な商店街が点在しているのも、このエリアの特徴です。

十条駅周辺の路地や線路脇の小路にも飲食店などが立ち並ぶ。クラフトビールが楽しめるビアバーや、とにかく安い大衆居酒屋、夜しか営業しない定食が食べられる居酒屋など、ついふらりと立ち寄りたくなる引力を感じる

加賀でも珍しい? 三方が自然と隣接する大規模マンションプロジェクト始動

多くの大規模マンションが立ち並び、既に密かな人気を集める加賀エリアに、新たなマンションが誕生しようとしています。旭化成不動産レジデンスが手掛ける「アトラス加賀」、総戸数227戸の大規模プロジェクトです。

その最大の特徴は北に石神井川、南東に「加賀公園」、南西に「板谷公園」が隣接する、三方を緑と自然に囲まれた開放的なロケーション。特に「加賀公園」は2024年を目標に、板橋区によって史跡公園として整備される予定。加賀公園の整備構想では、同公園を中心に、周辺駅や商店街との動線など、広域の整備も検討されており、実現すれば隣接地に建つ「アトラス加賀」の価値向上にも期待できそうです。

2019年2月には「池袋」駅東口徒歩5分にモデルルームをオープン。見学会にも行ってきました。部屋に入って最初にお?と意識が向いたのは天然御影石の天板を採用し、前面に収納「ARECS収納システム」を備えたペニンシュラキッチン。オプションかと思いきや、標準装備というから驚きです。キッチンサイドにも腰高の収納棚を配置している他、多機能収納、スロップシンクのある洗面室など、へーベルハウスのノウハウをベースとした設備・仕様には、ハウスメーカー系デベロッパーとして自信を持っているといいます。

「施工会社からは、直床などコストカットにつながる提案も受けましたが、二重床をはじめ、長期的な視点で暮らす方の快適性を第一に考え、設備・仕様にはこだわり抜いています」という言葉からも、同社の“ハウスメーカー”としてのプライドがひしひしと伝わってきました。

旭化成の創始者・故・野口遵(のぐち したがう)氏が創設した「野口研究所」跡地に建つ「アトラス加賀」は、旭化成不動産レジデンスとしても威信をかけたプロジェクトと意気込む

へーベルハウスの入居者調査を元に開発されたという旭化成グループオリジナルのキッチン収納。ARECSとはAsahikasei Refind Closet Systemの略

※ペニンシュラキッチン:左右どちらかが壁に接した対面型キッチンのこと。ペニンシュラは「半島」の意 ※スロップシンク:一般にモップや雑巾などを洗うのに用いられる底の深い大きな流し。スロップは「泥水」の意

少子高齢化なんてどこ吹く風 シニアも子どもも笑顔で交わる板谷公園

アトラス加賀の現地撮影のため、週末に現場を訪れると、南西に隣接する板谷公園には親子連れや散歩をする人がちらほら。あれだけマンションが立ち並んでいるのに、人が少ない気がします。

子どもとボール遊びをしていた男性に話を聞くと、「東板橋体育館だったり、こども動物園や公園など、近所にも子どもが遊べる場所も多いですが、休日は車や電車でおでかけするという家族も多いと思います。首都高とか環七がすぐだから、車を出すにも便利ですしね」と気さくに話してくれました。

しかし残念なことに冬場の曇天では写真が映えない!ということで、平日に出直すと、そこには休日と打って変わって元気に走り回るたくさんの子どもの姿が!その横では加賀だけでなく、近隣エリアの老人会が定期的に集まって開催しているというグランドゴルフの大会が行われ、一様に笑顔でにぎわっているではないですか。

子どもを引率する幼稚園の先生に話を聞いてみると「日常的に板谷公園で遊んでいます。園庭が小さいので、グランド代わりですね。子どもは冬でも元気いっぱいに駆け回っています」とにこやかに答えてくれました。

その横では、グランドゴルフに興味を持った子どもに、シニア男性が「大きくなったら君もやるようになるんだよ」なんて笑顔で話かけるシーンを目撃。思わず頬が緩むのを止められませんでした。あいにく天気予報が外れてこの日も曇り空でしたが、晴れ晴れとした気分で取材を終えることができました。

板谷公園から望む「アトラス加賀」建設現場。休日に撮影した上の写真と、平日に同アングルで撮影したTOPの写真を見比べると、その差は一目瞭然

板谷公園の入り口に立札を発見。板橋区に現存する公園の中で最も開園時期が古く(1937年開園)、2009年に同区の登録文化財(史跡)となったことが書かれている

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