「スムストック」(優良な中古住宅)の認知度向上を目指し、優良ストック住宅推進協議会が新たな取り組み

「スムストック」って、ご存知でしょうか。スムストック住宅とは、簡単にいえば、将来に亘って快適に暮らせる性能を備えた優良な住宅のこと。もちろん、適切なメンテナンスは必要ですが、これまでのようにスクラップ&ビルドではなく、大切に長く住み続けられる住宅を増やそうと、大手ハウスメーカー10社が協議会をつくっています。その新たな取り組みについてレポートしましょう。

(一社)優良ストック住宅推進協議会とは?

「スムストック」の統一ブランドで大手ハウスメーカー10社の長期優良住宅の流通促進を目的に設立された(一社)優良ストック住宅推進協議会は、今年7月で設立12年目を迎えました。昨年度は、認知度向上と捕捉率(成約率)20%を目標に中期計画を発表したほか、安心R住宅とスムストック専用瑕疵保険への取り組み強化などを実施してきた結果、10社累計の成約数が1741棟(スムストック専用瑕疵保険適用671棟、安心R住宅173棟)となり、これまでの累計成約数が1万棟を突破し1万303棟を達成しました。また、「スムストック」を販売できる任意の資格保有者として「スムストック住宅販売士」は、これまで6479名の販売士が誕生しています。

今年度は、10月からさらに認知度向上を目指して「特別プロジェクト」として、住宅金融支援機構との業務提携による競争力の強化と認知度向上を目指しブランド戦略を展開することになりました。

住宅金融支援機構と業務提携

住宅金融支援機構との業務提携は、既存住宅用の住宅ローン「フラット35」の融資利用に対して、融資条件となっていた物件検査による適合証明書の発行を省略することになります。10月1日の提携後には、スムストック住宅販売士の行う査定時点検に合格すれば、販売士が発行する「スムストック住宅基準適合点検シート」を活用することになり、簡単な手続きでフラット35が利用できるようになります。

テレビCMなどでブランド戦略

ブランド戦略では、スムストックの価値を伝える新たな統一メッセージとして「いい家は、つづく」を策定し、TVCMを東京、大阪、名古屋各局エリアで放映するほか、WEBサイトでは動画、静止画のバナー広告を展開。さらに、展示場では、のぼり、ポスター、リーフレットを用意するほか、スムストックHPのリニューアル(トップ改訂)等を実施していく予定です。メインターゲットを30~40代の第一次取得者層として第一弾は10月に実施、第2弾は来年1月を予定。今年10月時点で広告認知率26%を目指していく予定です。

【安心R住宅制度】
既存住宅の「不安」「汚い」「わからない」といった従来のマイナスイメージを払拭するため、平成29年12月に国土交通省が制定した制度で、特定既存住宅情報提供事業者団体登録規程に基づき、登録した団体には、「安心R住宅」の標章が使用できるものです。条件としては、耐震性があり、インスペクション(建物状況調査等)が行われた住宅が対象で、リフォーム等について情報提供が行われる既存住宅に付与されることになっています。
【スムストック専用瑕疵保険】
既存住宅の売買には、引き渡し後に隠れた瑕疵(雨漏り、給排水管の故障等)があった場合、売主は購入予定者に「瑕疵担保責任」があります。スムストックでは、住宅保証機構の住宅瑕疵担保責任保険を付与することができます。スムストック住宅販売士による査定・住宅評価を受けますが、万が一、建物に不具合が見つかった場合に、この保険が適用され、売主の負担なく、購入者に補償されます。

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