コラム

<住まいの選択>土地の『用途地域』とは?第一種低層住居専用地域について

土地の『用途地域』は13の区分があります。そのうちのひとつ「第一種低層住居専用地域(一種低層)」は、都市計画法9条で「低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」と定義された地域です。13区分の中でも特に制限が厳しいため、そこに建設できる建物には限りがあります。

たとえば、高さ制限。一種低層において建物の高さには制限が設けられています。良好な住環境を確保するため、建築物の高さが10m(または12m)以下でなければなりません。また、一種低層では日影規制や斜線制限といった制限も設けられています。日影規制は冬至の日を基準に、全く日が当たらないことのないように建物の高さを制限する規制です。北側斜線制限では、北側隣地の境界線上に一定の高さをとり、そこから一定の勾配で記された線(北側斜線)の範囲内で建築するように制限されています。
ここで余談ですが、高さ制限や日影規制、北側斜線制限に引っかかる可能性が高いため、たとえ住宅であっても3階建ては建築が難しいです。一種低層での建築を考えるのであれば、2階建て(場合によっては平屋)を前提にしておくといいでしょう。

逆に、一種低層は、厳しい制限をクリアした建物が集まる地域であるといえます。つまり、①建物が密集しにくく開放感があることや、②高層ビルやマンションも立ちにくい傾向にあるなどといったメリットがあるということです。閑静で、日当たりの良い住環境を確保しやすい点が、「第一種低層住居専用地域」の大きな魅力です。年数を経ても、日照面などで快適性が保たれると期待できます。

ちなみに、一種低層で建てられる種類は以下の通りです。
・住宅
・共同住宅
・寄宿舎
・下宿
・小規模な店舗又は事務所兼自宅
・幼稚園
・小学校
・中学校
・高校
・公衆浴場
・老人ホーム
・交番
・図書館

見てわかるとおり、コンビニやスーパーなどの商業施設は、一種低層に建つことができません。車や自転車がないと買い物が少し不便ということをデメリットに感じる人は少なくないかもしれません。

今回は、13区分ある用途地域の「第一種低層住居専用地域」をピックアップしました。一種低層に限りませんが、メリットになり得る点、デメリットになり得る点どちらも確認のうえで土地選びするのがふさわしいといえるでしょう。

閑静な住宅街イメージ

閑静な住宅街イメージ

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